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77.続・殺人鬼とおっさん―9

「なんなの、これ……っ!!」


 まるでデタラメだと、マリモは思った。


 自らの体を巨大な蜘蛛の機械へと変貌させたルルリリ。

 その声はスピーカーを通し、ヒビ割れたノイズ混じりの音となって周囲に拡散されている。


『そんなところに隠れてないでさァ、出て来てアタシと遊んでよッ!! アタシって、サイコーにキュートでビューティでしょおッ!!』


 まるで子供を生み落とすように、蜘蛛の腹部から無数の蜘蛛型ゴーレムが発進していった。

 あれらは、折り畳まれ収納された姿でルルリリの内部に保管されていたのだ。


「まずいよマリモ。あの小型の蜘蛛は偵察機の役割みたいだ。周辺の確認を始めている」


 迫る脅威に、仲違いしていたことを忘れ、二人は自然と協力体制になっていた。


「いつまでもここに隠れているわけにはいかないってワケね。……自らの死体を改造したって、アイツは言っていた。だけど、あの頭部は生身のまま……?」


 マリモが注目したのは、鋼の体にコラージュのようにへばりついている、ルルリリの顔だった。

 そこだけが元のままであるが故に、嘘みたいにグロテスクさが増している。


「脳味噌までは改造出来ないってことじゃないか」


「そういうことなら……射抜いてみる価値はありそうね」


 『魔弾の射手(フライクーゲル)』を構え、民家の陰から半身を乗り出すマリモ。


 恐らく、チャンスは一度しかない。

 外してしまえば、反撃として圧倒的な火力で制圧されるだろうからだ。


 ごくりと唾を飲み込むと、意を決したマリモは民家の陰から飛び出した。

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