表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/984

8.決着とおっさん―6

 キットの行動を目の当たりして、グルゥは一瞬固まってしまう。


「キット、まさかお前――」


 復讐だ。

 キットは自分の復讐を、手伝うつもりなのだ。


「やめろッ!!」


 それだけは駄目だ。

 キットに自分の変わりに手を汚させるなんてこと、絶対にさせてはいけない。


「グるるルルルルルルッルルルルルルルルルルルルルルッ!!」


 声を出せないキットは、獣のような唸り声をあげてアキトに近付いていった。

 そのあまりの俊足に、両者の間の距離は見る見るうちに詰まっていく。


「やべ……っ!」


 アキトは逃げ出そうとするも、ヒビでも入っているのか、肋骨に手を当て険しい表情をするだけだ。

 ついにアキトに迫ったキットは、口に咥えたダガーでアキトの首を狙いにいった。


「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「やめてぇッ!!」


 グルゥの絶叫とマリモの悲鳴、二つの叫びが交錯する。

 そして、ダガーの先端がアキトの首の皮に触れた、その瞬間だ。


「馬鹿者っ!!」


 アキトの体を、グルゥは後ろから突き飛ばしていた。

 キットの目が驚愕で見開かれる。


 どうして、復讐をする相手を助けるのか――その目は、そう訴えていた。


 そしてキットの横を通り過ぎた一筋の光の矢が、グルゥのどてっ腹に風穴を開けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ