表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
747/984

76.殺人鬼とおっさん―4

(最悪だ)


 予期せぬ水中戦。

 それも、相手は老人といえど『レヴィアタン』の血統である。


 地の利は圧倒的にハヌ・トゥにあり、グルゥは流れに体を持っていかれつつも、仕掛けてくる攻撃に身構えた。


「さてさて、いったいどうやって殺してやろうかのぅ」


 だがハヌ・トゥはすぐに仕掛けてくることもせず、マイペースに甲羅の中を漁っている。


「魚のように銛で突き殺してやろうか。それとも、毒を撒いてオーガもろとも殺すのも楽しいかもしれないのぅ」


 ウキウキとした様子で話すハヌ・トゥを見て、グルゥはゾッと背中が寒くなるのを感じた。


 この老人は、純粋に“殺す”ことを楽しんでいる。

 その興奮が、ありありと伝わってきたからだ。


「……まさ、か」


 甲羅の中にしまい込んでいたらしい、無数の武器の数々。

 また、ハヌ・トゥの小さな背中に刻まれている無数の古傷を見て、グルゥは過去に聞いたとある話を思い出した。


 それは『レヴィアタン』の伝説の殺人鬼の話。


 暗殺者の家系に生まれた天才的なセンスを持つ男が、己の才能に溺れ、一族全てを暗殺し、さらには無関係な人々まで自らの暗殺の実験台にしたという話だった。


 一説に寄れば、その男が殺した魔人の数は、優に百を超える。

 断定は出来ないが、行方不明になったままの魔人を含めれば、六百人近くがその殺人鬼の犠牲になったという話だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ