表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
744/984

76.殺人鬼とおっさん―1

 グルゥの存在に気が付いたハヌ・トゥとルルリリは、同時に顔を見合わせる。

 ルルリリはすぐに尻餅をつくと、大きな声を出して叫んだ。


「い、いやあぁぁぁんっ! こんなところで人が死んでるー! 私、こわーい!」


「いや、今さら可愛い子ぶっても無駄じゃろ……バッチリ、話してるところを見られるぞい」


 当然グルゥは、二人がテンザンに入り込んだ“異変”なのだと理解していた。

 そもそも、オーガしかいないはずの里に、魔人である『アスタロス』と『レヴィアタン』がいることがおかしいのだ。


 だが、そんな当たり前のことよりも、あのリンメイが無残な姿となって殺されているという、あり得ない光景がグルゥの思考を麻痺させていた。


「やれやれ、こんなところで会ってしまうとは……これも因果というヤツかのぅ」


 ハヌ・トゥの体は、物ぐさな動きで自身の首を拾い上げると、まるでネジでも絞めるかのようにキュッキュと己の胴体と繋ぎ合わせた。

 ぐじゅぐじゅと接合面の肉が泡立って、首の境目は綺麗に繋がって無くなる。


「分かっておるな? ルルリリ。あやつこそが、話に聞いていたウルヴァーサを殺した――」


「そっちこそ、耄碌して忘れてるんじゃないかと思ってたよ。……ちょーどいいジャン、異世界勇者の捕縛だけじゃなくて、ついでにお手柄をあげてくってのもさァ!!」


「ウルヴァーサ……っ!?」


 久々に聞いた名前に驚いて、グルゥの思考はいっぺんに現実に引き戻された。


「まさか貴様らは、“イルスウォード”の――」


「だったら何!? 文句あるッ!? 私の発明に――メロメロになっちゃいなさいッ!!」


 ルルリリが背負っていたバックパックから黒い球体を放り投げると、それは蜘蛛型のゴーレムとなりグルゥに襲い掛かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ