表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
739/984

75.賊・強襲とおっさん―5

 一方で、グルゥはシュテンと共に、決壊しかけた川の堤防に土嚢を積む作業をしていた。


「ぐぬぬぬ、積んでも積んでも水かさが増すばかりだぁ! こりゃあ、大元から栓をしねぇとどうしようもねぇだ!!」


 シュテンは顔を真っ赤にして、怒鳴り散らすように叫んでいた。

 テンザンのオーガ達が総手で対応しても凌ぎきれない勢いに、グルゥも限界を感じ始めている。


オーガ達の陣頭指揮はお前にしか出来ない。私が、川上の方を見に行こう」


「おう、原因を見に行ってくれるか? 多分、もう何人かは向かってると思うんだが」


 シュテンとの会話もそこそこに、グルゥは作業を切り上げ川上へ向かおうとした。

 だが、その時だ。


「うん?」


 川の勢いに押し出されたように、手のひら大の黒い塊が、作業をしているシュテンの足元に転がってきた。

 始めは、誰も何も思っていなかったが、同じような黒い塊が不規則にいくつも流れ着いてくる。


 シュテンは構わずに作業を続けていたが、直後、鋭い痛みが足を襲った。


「ぬあっ!?」


 ぬかるんだ足元は、夜の暗さも相まってよく見えない。

 だが、カシャカシャと不気味な機械音が、いつの間にか辺り一帯に響き渡っていた。


 いったい、何が起きているのか。

 シュテンの疑問は、流れ着いた黒い塊が震えだしたのを見つけて解決した。


「な、なんじゃあ……こりゃあ……ッ!?」


 黒い塊から突然生え出した、六本の脚。

 さらにその脚の先端は、鎌のように鋭く尖っていたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ