表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
702/984

+++ある晴れた夏の日―4+++

 白いビキニと、麦わら帽子。

 まるで水彩画の世界のようなネイビーブルーの海を前にして、砂浜の上に一人立つマリモは、振り向き様にモデルのようにポーズを決めた。


「えへへ、どうかなこの水着は?」


 真夏の太陽光を浴びて輝くマリモは、あっという間にビーチの主役、一輪の華となり、周囲の男の目を釘付けにする。


「ず、ずるいマリモっ! 一人だけそんなセクシー路線で……!」

「それはミク、お前がお子様体型過ぎるんじゃないか?」


 早速声を掛けてきたナンパ目的の男を、ブーメランパンツ一丁のゲンロクが、その鍛え上げられた体を誇示しながら追い払った。


「さ、さすがにぃに……! マリモに負けず劣らずのセクシー路線っ!」


 本気なのか冗談なのか分からないが、目をキラキラさせながらミクはゲンロクを見つめている。

 実際、グラマラスなマリモの隣には、立派な筋肉の持ち主であるゲンロクが居るのがよく似合っている。


「む、むりむり。私はやっぱナナと一緒に浜辺で遊んでるっ!」

「あはは、カエデ……。スクール水着が嫌だったら、先生に頼んでレンタルでもしてもらえば?」


 その様子を遠巻きに見ているのが、カエデとシノカミの二人である。

 シノカミに至っては健康上の理由で、そもそも水着にもならずビーチパラソルの下でくつろいでいた。


「ユズもここでゲームばっかしてないで、行って来なよ」

「……やだ。めんどうくさい」


 ユズの素っ気無い答えにシノカミは苦笑する。

 すると、突然ユズの顔に、浜辺の白い砂が降りかかった。


「わぁ!?」

「おーっしゃ! 海だ海、いっくぜぇー!」


 着替えを終えたアキトが、ユズの脇を猛然と走り抜けていったのである。

 スマートフォンの中のゲームはその間にゲームオーバーとなり、ユズはぷるぷると肩を震わせていた。


「アキトのバカっ、何するんだよーっ!!」


 アキトを追いかけ浜辺に飛び出したユズを見て、シノカミは穏やかに笑っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ