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70.続・鬼とおっさん―6

「私は、アマツに協力し、ヴラディオを倒したいと思っている。あなた達と一緒に、共に戦場に立つことを許してくれないだろうか?」


「無論、お主のような強靭な戦士が我々の仲間に加わることは歓迎じゃ。……じゃが。本当に、お主はそれでいいのか?」


「…………何?」


「敵の敵は確かに味方じゃ。じゃが、同じ味方といえども戦う理由は千差万別、妾とお主の目的は違うというわけじゃ」


 ルキの言葉を理解することが出来ず、グルゥはしばらくの間、押し黙った。

 すると、ルキは再び大きなため息をつく。


「よっぽど人が良いのか知らぬが、頭の中はあっぱらぱーのようじゃな、グルゥ」


「なっ……! お、お前に言われたくないぞ! さっきから適当なことばっかり言ってるくせに!」


「そうじゃな。妾の言葉は実に適当、無味乾燥で何の意味も持たぬものばかりよ。……じゃから、今から言う言葉は全て妾の戯言だと思って流せ」


 不意に、御簾の向こうから漂う空気が変わった。

 飄々とした雰囲気のルキが、まるで牙を剥き出しにした獣のような、獰猛さすら感じされる“鬼姫”となる。


「妾は、この地を蝕み己の利の追求のみを行うヴラディオを、一族もろとも滅ぼそうと考えておる。それはもちろん……ヴラディオのみでなく、先の戦いで覚醒を果たしたサリーメイア姫や、廃人と化したブラン王子も殺すという意味じゃ。行き着く先が残酷な結末だとしても……お主は、本当に妾たちと共に戦いたいと考えるのか?」


 鬼姫ルキの言葉は、グルゥの胸に重く圧し掛かった。

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