7.対決とおっさん―4
ドクン。
動悸が徐々に早くなる。
もはやまともに話を続けていられるのもここまでかと、グルゥは『憤怒』が暴走する寸前であることを自覚した。
「最後に……一つ、聞きたい」
「ん? もう取材は終わりでいいのか? んだよ、それでちゃんと格好良く書けんのかー?」
「『イルスフィア』から連れ帰った魔人には、どのような処遇が待っているのだ? その後の話は、聞いたことがないのだが――」
「犯しまくり」
ドクン!! ドクン!! ドクン!! ドクン!! ドクン!!
「ま、まさか……十歳になったばかりの娘に、そんな鬼畜の所業を――」
「なーんちゃって、嘘に決まってんジャン。つか、ここまで言われて殴ってこないなんて、おっさん、角だけじゃなく玉も無いんじゃねーの」
そこで、ようやくグルゥはハッと気が付いた。
先程から妙に素直に答えるとは思っていたが――アキトは初めから、自分の正体に気がついていたのだと――
「チートスペル“光の剣”」
先制したのはアキトだった。
剣を抜くのと同時に放たれた光刃が、グルゥの胸目掛けて直進する。
「グッ……!?」
そのあまりの速度に回避行動を取ることも出来ず、グルゥは左腕を盾にすることによって光刃を受け止める。




