表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
621/984

64.覚醒とおっさん―4

「それともう一人……なんだ? あの規格外の大男は? 『サタン』でも、あれほどの大きさは見ないぞ」


「アイツが大賢者ユグドラシズだ。……勇者戦争から始まる、今回の一連の騒動の首謀者であり、ボクを造った創造主でもある」


 重苦しい口調でミノンは答えた。

 あれがユグドラシズなのかと、グルゥは改めてその姿をまじまじと見る


 身長三メートルはあろうかという大男だが、その顔は、深く被り込んだフードによりほとんど見えなかった。

 だが、大きなローブに身を包み、大木の幹としか思えない杖をついている姿には、確かに魔導士の風格がある。


「あいつを倒せば、全ては終わるのか」


 グルルルと、殺気を込めて唸り声をあげるキット。


「分からない。だけど、それで大勢の人々が救われるのは事実だろうね」


 ミノンの言葉に、グルゥは深く頷いた。


 そう、ノニムは今、ユグドラシズの手の内にいるはずなのだ。

 愛する娘を救うためにも、ここはサリエラを助けるだけでなく、何とかしてユグドラシズを倒してしまいたい。


「やるなら、今しか……!」


 気炎を吐くグルゥを見て、ミノンは眉間に皺を寄せた。

 グルゥの暴走を心配する、苦みばしった表情だ。


「ん……あれは……っ!?」


 その時、双眼鏡を覗いていたグルゥは驚きの声をあげた。

 祭壇に黒い棺を持ち運んでいく兵が二人と、それと一緒に上っていく男が一人。


 ブランである。


 つい先程まで御者を務めていたはずだが――慌てて双眼鏡を外して視界を向けた先では、ブランの姿は忽然と消えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ