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52.続々・惨劇とおっさん―5

「俺達の目的は、大賢者“ユグドラシズ”によるイルスフィアの征服を止めること」


「……へぇ? それにしては、随分と物騒なことをしてるように見えますが」


「そのためには、血統なんて下らない仕組みで区分けされた、この旧態依然としたイルスフィアを変える必要があるんだ。だから俺が……このイルスフィアの、王になる」


 ヒュー、と茶化すように口笛を吹くリーヴス。

 ヴァングリフの言葉に、今度はミルププが衝撃を受ける番だった。


「イルスフィアの王になるって、え……お父さん……?」


 ようやく、再会出来たと思ったのに。

 果たして自分は、実の父親のことを信用してもいいのだろうか?


 そんな逡巡がミルププの中を巡る。


「なーんだ。結局やっていることは、単なるテロリストと変わらないじゃないですか」


「貴様に言われる筋合いは無いな。むしろ率先してユグドラシズと結託し、イルスフィアを食いものにしようとしている分、貴様らの方が余程性質が悪いだろう」


「んー、どうやらこの話は水掛け論のようですねぇ。……あ、ダジャレじゃないですよ」


 両手を合わせてきゅっと握り締め、リーヴスは子供が風呂場でやるような水鉄砲をヴァングリフに引っ掛けた。

 ヴァングリフがそれを左手で掴むと、水は再び蒸発してしまう。


「さて、どうしましょうか。……一応、姫からは、あなた達の妨害をするよう頼まれているのですが」


「ここでやるっていうのか。悪いが、タダでは帰らせないぜ」


 大剣を構えるヴァングリフ。

 一触即発の空気が流れたが――


「……ぷっ、あはははっ」


 唐突なリーヴスの笑い声に、ヴァングリフは狐に摘まれたような顔をする。

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