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52.続々・惨劇とおっさん―4

(そんな、そんなことって)


 考えてみれば、単純な話だったのかもしれない。


 アルゴ公国はアキト達を囲っていた。

 また、アキト達はアルゴ公の持つフォルを頼りに生きていた。


 そんな状況を、領地を統治する側であるジルヴァニア王国が知らないはずがない。


 だがそれは――奇しくも、グルゥの家族の命が奪われるきっかけを作ったのが自分の国――もっと言うならば、自分の父であるジルヴァニア王ということになる。


(私はそんなことも知らずに今までお父様と旅路を――)


「ちなみに、魔人を追って『イルスフィア』まで行けというのは王の命令ですが、『イルスフィア』に逃げた異世界勇者を監視しろというのはユグドラシズ様の命令です。両方こなさなきゃいけないってところが、中間管理職の辛いところですね」


 飄々と言ってのけるリーヴスだが、その言葉は既にサリエラの耳には届いていない。


「……あーあ、だから隠しておこうと思ったのに。異世界勇者さんが張り切っちゃうからですねぇ」


 ため息をついたリーヴスに、今度はヴァングリフの大剣が襲い掛かった。


「っと。少しヘイトを集めすぎじゃないですか? 私」


 水の刃では受けきれないと判断したのか、リーヴスが展開したのは水の“クッション”だ。

 枕ほどの大きさの水の塊が宙に展開され、ヴァングリフの大剣はそれによってベクトルをずらされ、ほんのわずかにリーヴスの横を逸れていった。


「なるほどな。つまりお前も、俺の敵だってわけだ」


「そうなんですか? あなた達が何をしたいのかは知りませんが、別に、ここで争う必要はないと思いますけどねぇ」


 反撃に、水の刃で斬りつけるリーヴス。

 しかしヴァングリフの大剣が赤く光ったかと思うと、そこから発せられた炎によって水は一瞬で蒸発させられてしまう。

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