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52.続々・惨劇とおっさん―1

 その瞬間、あれだけ混乱に満ちていたホール内の時間が止まったようだった。


 突如、どこからともなく現れた一人の少年。

 部屋の中央、円卓の上に立ち不遜な表情で周囲の魔人を見下している。


 どこから入った?

 誰か見ていないのか?


 残っていたイルスウォードの男達はアイコンタクトで意思疎通をしたが、その答えを知るものは誰もいないようだった。


「チートスペル“光の剣(エクスカリバー)”」


 少年――アキトは何の前振りも無しに、唐突にヴァングリフに対して光刃を発射した。

 ヴァングリフは驚いたが、とっさの瞬発力で横に飛んで回避する。


「あァ!? お前、デルガドスの仲間か!?」


「はぁ? 誰それ? 俺はただ、フォルの回収に来ただけだよん。少し仕掛けに手間取っちゃったし、メインディッシュの前の栄養補給ってことかな」


 アキトの言葉はヴァングリフにさっぱり伝わらなかったが、それでも敵対勢力だという認識には至ったようである。


「まぁ、いい……。邪魔をするのなら、お前をこの場でメインディッシュにしてやるぜ、三枚下ろしだ!」


「なにそれ、うまいこと言ったつもり? まあ、この場には……お前以外にも相当旨そうなヤツらが揃ってるからな」


 周囲に視線を巡らせるアキト。

 『異世界式電子式多機能式アクセス・デバイス端末』で騒ぎの情報を得たアキトは、火事場泥棒のつもりでここまでやって来たのである。


 デルガドスとの戦いで既に負傷しているイルスウォードの魔人や、捕縛されている各国の王など。

 アキトからしてみれば、彼らは鴨がネギを背負ってきたようなもので、ただのごちそうにしか見えなかった。

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