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50.惨劇とおっさん―5

「ですが、その後のことはどうするつもりですか? 例え私が今回、魔人の拿捕を諦めたとしても、王は次の刺客を送り込むだけですよ? それはまた私になるかもしれないし、他の五彩の騎士になるかもしれません。……それこそ、姫のお兄様がその役目を担うことになるかもしれないですよ?」


 そんなことは言われなくても分かっている。

 だが、ブランは既にグルゥとも顔を合わせているし、グルゥがどうしようもない善人で、生粋のお人好しであることは伝わっていると信じていた。


「大切なお兄様と、自分の恩人が傷つけ合う……そんな光景を見るくらいなら、おとなしく魔人を差し出した方が合理的だと、私は思いますけどねぇ」


「リーヴス、そんな言葉に動かされるほど、私は愚かではありません」


「はいはい。私も姫様の頑固さは、重々承知しております」


 ほんの少しだけ、冷笑から柔和な表情になったリーヴス。

 それを見て、申し出を受け入れてくれたのかと喜ぶサリエラだったが、


「ですから……念には念を入れさせて頂きますよ」


 リーヴスは突然、手にしていたコップの水をサリエラ目掛けてぶちまけた。

 とっさに避けようとするサリエラだったが、至近距離であったため反応が間に合わない。


「何を――」


 宙を舞った水が、まるで意思を持ったかのように一塊になって、サリエラの口と鼻を塞いだ。


 水を自在に操る“蒼騎士”リーヴスの魔法。

 突然の蛮行にサリエラは為す術もなく、何とか水を引き剥がそうと口元に手を当てるが、形を持たない水の塊は指の間をすり抜けていくだけだ。

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