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50.惨劇とおっさん―3

「へぇ? 私を呼び出したのはあなたの方ですから。てっきり、姫には一目置かれているものと思っておりました」


「本気でそうお思いですか、リーヴス。……以前、あなたに言われたことを、私は忘れていませんよ」


 それは、ユズに襲われたグルゥを探し、サリエラがケントラムの町を奔走していた時だった。


 偶然の再会を果たしたサリエラとリーヴス。

 当然、サリエラはすぐに逃げようとしたが、リーヴスに腕を掴まれ、それも出来なくなっていた。


『どうして、あなたがこんなところに? ……まさか噂は、本当だったのですね』


 突如として現れた魔人によって蹂躙され、破壊し尽くされたサグレスの街。

 アルゴ公まで殺された以上、ジルヴァニア王国としては、もちろんその犯人を捕まえなければならない。


『表向きは……ですけどね』


 だが、ジルヴァニア王の考えは違っていた。


 貴重な資源であるフォルを出し渋っていたアルゴ公は、ジルヴァニア王にとっても疎ましい存在であり、サグレスの崩壊はむしろ喜ばしいとさえ思っていたのだ。

 そして何より、単騎で街を一つ滅ぼすことが出来るほどの力を持った魔人――その力に興味があった。


『ですから私は、その魔人を探す命令を受けイルスフィアまでやって来たのです。……その魔人と、失踪したサリーメイア姫が一緒に行動しているらしいという、妙な噂は聞いていましたけどね』


『私を連れ戻すつもりですか』


『いえいえ。私が受けた命令は、あくまでもサグレスを破壊した魔人を捕まえることですから。姫については、その後どうするか、ですけどね』


 リーヴスの眼鏡の奥の目が細められる。

 サリエラが何よりも嫌いな、リーヴスの冷笑だった。

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