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48.胎動とおっさん―2

「ぎゃはは! 良いねぇ、その顔! 予想外だろ? まさかあの伝説の将軍ウルヴァーサ様が、ただの囮でしかなかったなんてな」


「予想外というか……そんなことをして、何になる? わざわざ私を引きつけるような真似をして」


「さてね、上のヤツらが何を考えてるのかサッパリだし、正直俺も、なんでこんな僻地でお前の相手をさせられなきゃいけないのか、意味が分からなかったぜ」


 そう言ったが、ウルヴァーサは少しだけ、ほんの少しだけグルゥを称えるような笑みを浮かべてみせた。


「が、結果的にはその判断はズバリ正解だったってわけだ。お前みたいなヤツに襲われたら、どんな一個師団を率いていても一瞬で全滅だよ。警戒したわけが分かったぜ」


 それはつまり――イルスウォードのリーダーは、自分のことを知っている者なのだろうか。


 グルゥは一瞬困惑したが、サグレスタワーでの一件もある。

 既に存在を知られていても、おかしくはないのかもしれない。


「ま、俺もいい加減ウンザリだったんだよ。無理矢理、地面の下から蘇らせられて、頭にヘンテコな虫を埋め込まれて、良いように使われるってのはな。……ただまあ、お前みたいなヤツと最後に戦えたってのは、案外悪くなかったぜ?」


「……なに? それはどういう――」


「俺はもう喋りすぎた。イルスウォードから見ても、もう用済みだってわけさ」


 ウルヴァーサの言葉が終わるか終わらないかというところで、突然、ウルヴァーサの側頭部が破裂した。


 中からは、どろどろとした煮こごりのような液体が流れ出す。

 アンデッドの性質が消え、元の死肉へと戻っていこうとしているのだ。

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