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47.続・プライドとおっさん―7

「――親父、親父ぃっ……!」


「…………うん…………?」


 キットの声で目を覚ます。

 冷たい氷のフロアの中、グルゥは厚手の布を被せられた状態で目を覚ました。


 首は右に向いていて、真っ先に目に入ったのは――


「どわあああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」


 ウルヴァーサの生首だった。

 驚いて飛び起きると、布が剥がれてグルゥの裸が露わになる。


「きゃああああああああああああああああああっ!」


 慌てて目を覆い、顔を真っ赤にしてしゃがみ込むルッタ。


「親父、それはセクハラだぞ!」


「はぁ!? っていうか何だ、この状況は!?」


 左には注意をするキットが、そして右にはウルヴァーサの生首が床の上に置かれていた。

 正面にいたルッタは、思い切りグルゥのグルゥを見てしまったというわけである。


「っていうかルッタ、さっきまで思い切り見てたよね……?」


「あ、あれはグルゥさんも気を失ってる状態でしたからっ! あまり刺激的なものを見せられると……『色欲』の力が発動してしまいます……だ」


「まさか『ベリアル』よりも『傲慢』なものが存在していたとはな。『サタン』も侮ってはいけないということか」


「お前は余計なことを言わなくていいんだよっ!」


 ウルヴァーサの生首を足蹴にするキット。

 痛い、やめろ、と首だけのウルヴァーサは怒っている。


 本当に、何だこの状況はと、グルゥは何も見なかったことにしてもう一度気絶したい衝動に駆られていた。

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