表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
458/984

47.続・プライドとおっさん―1

 信じられない、認めたくない光景だった。


 ウルヴァーサは、噛み千切った腕を見せ付けるように顎をあげて高く掲げる。

 その黒い剛毛に覆われた逞しい腕は、間違いなく、グルゥのもの――


「あああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」


「親父ッ!? そんな……嘘だろっ!?」


 右腕の関節から先を失ったグルゥは、その場に膝をつき、必死に左手で傷口を押さえ込んだ。


 どうにかして、出血を抑えなければならない。

 何か良い方法はと考えたが、思考を巡らせるよりも先に痛みで考えが支配される。


「ぎゃははははははははッ!! とても固くて食えたモンじゃねーなッ!! 不味すぎるぜッ!!」


 ウルヴァーサは手に取ったグルゥの右腕を、明後日の方向へ投げ捨てる。

 その腹には大きな穴が空いたままだが、それでもウルヴァーサは、平然と仁王立ちをしていた。


「まあ……もうこんな、ブサイクな面を晒し続ける意味もねーか」


 そう言って、自ら“竜化”を解くウルヴァーサ。

 氷に映った自身の顔を見て、満足げにフフンと鼻を鳴らしてみせた。


「やっぱ俺って、どうしようもねーくらいのイケメンだな。お前もそう思うだろ?」


「ふ、ふざけんな……っ! 親父の腕を千切りやがって、コノヤロウっ!!」


 一瞬で間合いを詰めたキットは、ウルヴァーサの胸板に電撃の拳を打ち込む。

 すると、キットの拳はウルヴァーサの体を貫通し、二つの目の風穴が出来上がった。


「え――」


 戸惑うキットに、上からウルヴァーサの拳が叩き込まれる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ