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44.続・魔女とおっさん―5

 一方、その頃。


「連絡がつかなぃ…………何をしたの、ぉじ様…………」


 ケントラムの宿にて、本体の方のミルププは苛立った様子でイモムシのミルププを突っつき回していた。


「ちょっと止めましょうよ、ミルププ。いくら焦っていたとしても、イモムシに当たって何の意味もありません」


「…………じゃぁ、愛でる…………?」


「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!! だからといってこっちに近付けないで下さいっ! 無視は苦手なんですっ!」


 ベッドの中に隠れてしまったサリエラを見て、ミルププは深くため息をついた。

 テーブルの上のイモムシは、突っつき回されて何故か嬉しそうに赤くなっている。


「って言っても、ぃまのぅちに慣れとかないと……この子は、サリエラに渡す用なんだから……」


「わ、分かってますっ。そのうち、そのうち仲良くしますからっ!」


 このままじゃ先が思いやられるなと、ミルププはもう一度ため息をついた。

 だが、何よりも一番ため息をつきたいのは――このイルスフィアに起きている異常事態を、グルゥに伝えられないことである。


 ウルヴァーサによるドラグロア強襲と同時に起こっていた、イルスウォードと名乗る一団による武力蜂起。

 それはドラグロアだけでなく、『マモン』と『アスタロス』の国でも起こっていたらしい。


(おまけにウルヴァーサを蘇らせたネクロマンスの技術……恐らくは、『ベルゼブブ』の血統も絡んでいると見て間違いない……)


 事態は想定よりも深刻な方向に動いているようだと、ミルププは珍しく真面目な表情で考え込んでいた。

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