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44.続・魔女とおっさん―3

「その、“だ”っていう語尾……なんなの、だ?」


「あ、す、すみません! なるべく、都会の人に合わせようとして標準的な口調で喋ろうとはしているのですが……どうしても、この訛りが抜けないのです…………だ」


 訛りだったのかよ、とグルゥはしかめっ面をした。


「そんな気を遣わないで、好きな言葉で話していいぞ? なんか、聞いていても喋りにくそうだし」


「そ、そうなんか!? あたい、ずっと秘境ん中で暮らしちょるぅやし、都会んぴとにゃちゃんとはぬすんと意味とぅるとらんと思い込んやし」


「すまん、やっぱ標準的な言葉でお願い出来るか……本当にすまん……」


「あ…………ですよね…………だ」


 あまり後先考えずに物事を言うべきでないと、この年になってまた一つ勉強をしたグルゥだった。


「それで、『ベリアル』ってのはウルヴァーサのことなんだろ」


「やはり、先を越されていたか。それがいつ頃の出来事なのか、正確には分からないか? ルッタ」


 グルゥに聞かれて、ルッタはうーんと考え込む。


「すみません、ずっと山小屋の地下に閉じ込められてたので……恐らくは、昨日か一昨日くらいのことだと思うのですが……だ」


 密閉された空間では、時間の感覚も無くなっていたのだろう。

 何にせよ、彼女の存在に気付けてよかったとグルゥはホッと胸を撫で下ろした。


「ところでさっき……秘境の中で暮らしているとか言ってなかったか?」


「はい、私は翡翠の血封門イルゲートの守り人ですから。この先の渓谷にある小さな遺跡の中で、ずっと暮らしていたのです……だ」


「守り人!?」


 まさかこんな形で会えるとはと、グルゥは目を丸くして驚いた。

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