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43.魔女とおっさん―3

 買い込んでいた携帯食料や、あり合わせの食材で作ったスープを食べたグルゥとキットは、人心地が付いて久しぶりの穏やかな時間を過ごしていた。


「ベッド……俺のもんだからな……親父……」


「ひ、一つしかないんだから一緒に使えばいいだろ。私も今晩くらいはゆっくり休みたいぞ」


「やだ……親父、体デカくて邪魔になるもん……」


 今までだったら喜んで一緒に寝ていたはずなのに、ガーンとショックを受けるグルゥ。

 が、裏を返せば、ここまでの道のりはキットにとってそれほど過酷なものだったのだろう。


 これから更に道のりが厳しくなるのを思うと、確かにキットに休ませてやりたい気持ちもあった。

 ――が、それはそれ、これはこれだ。


「ほら、一緒に寝た方が温かいだろ。なんだったら私を湯たんぽ代わりに使っていいぞ」


 ベッドに腰掛けたグルゥは尻でキットを端っこへ追いやる。

 ガバッと身を起こしたキットは、グルルルと牙を剥いてグルゥを威嚇した。


「ちょっと! 人がいい感じでまどろんでたのに!」


「どうせすぐにまた眠くなるさ。私はまだ少し、やることがあるんだ。そっちで寝てなさい」


 ぽんぽんと頭を撫でてやるが、キットはまだ不満げな顔をして拗ねている。

 まさか反抗期? と若干不安になるグルゥだが、今はそれよりもやらねばならないことがあった。


「ミルププと連絡を取らなくては。あの悪天候だ、外じゃ通信どころじゃなかったからな」


 そう言って、背負い袋の中からミルププを探すグルゥ。

 風もかなり強かったため、安全のためミルププを荷物の奥にしまい込んでおいたのである。


 だが、取り出したミルププは、手のひらの上でピクリとも動かなかった。


「し、死んでるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

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