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43.魔女とおっさん―2

 鉛のような雪雲に覆われ、日中でも薄暗い状態ではあったが、二人はなんとか日が沈む前に目標とする山小屋に辿り着くことができた。

 だがここからも、氷山と渓谷を進まなくてはならない過酷な道が待っている。


「ふぅ……どうにかして、“血封門イルゲート”の守り人に会えれば良かったんだがな」


 山小屋の暖炉に火をくべながら、グルゥはそう話していた。


「くしゅんっ! ……守り人ってなんだぁ?」


「その名の通り、“血封門イルゲート”を守る役割を持つ者のことだ。守り人の一族は、代々“血封門イルゲート”の管理をしている。“血封門イルゲート”に辿り着くのは一見険しい道のりだが、彼らしか知らない秘密のルートもあるという噂だ」


「なにそれ、ずるじゃん!」


 山小屋にあった毛布を頭から被りつつ、キットはうぅぅと唸り声をあげた。


「まあまあ、そう怒るな。ズルというか、管理人なんだからそういう仕事なんだよ」


「何処に居るのかは分からないのかよ?」


「うーむ……守り人というくらいなのだから、恐らくは“血封門イルゲート”の近くにいるのだと思うのだが。それが知られてしまったら、恐らくは今回のようなケースの際に真っ先に狙われるだろうからな」


 グルゥの言葉に、キットは青ざめた顔をする。


「え……? そ、それじゃあ、ウルヴァーサとミノンが先に“血封門イルゲート”に向かったなら、守り人も巻き込まれている可能性があるじゃないか!?」


「もちろん、その可能性もあるな。だが、守り人の一族は『血統』の力を特に色濃く持つ者達とも聞く。そう簡単には、やられることもないだろう」


 台所でお湯を沸かしながら、グルゥは答えた。

 何にせよ、外は吹雪で、今は一夜を明かすしかないのだ。


 焦って行動しても始まらないと、グルゥ自身も自分に言い聞かせていた。

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