表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
421/984

42.決闘とおっさん―9

「やっぱ、グルゥさんはずげーッス」


 月明かりの下、野原に大の字になったゲンロク。

 ひとまずその命に差し障りがなかったことに安堵しつつ、グルゥはその横で腰を下ろし、ゲンロクの話に耳を傾けていた。


「俺の『鋼鉄の意志(フルメタル・ソウル)』がこんなに簡単に破られると思わなかったし……どうして、敵のことを気遣いながら戦うなんでことが出来るんスか? 俺じゃあまだ……その境地には至れないッス」


「買い被りすぎだ。単に、君のことは倒すべき敵ではなく、喧嘩の相手だと思っていただけだ。そんな相手に、酷いことを出来るわけがないだろう?」


「け、喧嘩ッスか……。こっちは命がけの決闘のつもりだったのに……」


 ションボリとしたゲンロクを見て、グルゥは言い方を間違えたかと内心焦った。

 だが、


「俺の完敗ッスね。……所詮、グルゥさんから見れば俺なんてまだまだガキだったってわけッス。……やっぱり、俺にはグルゥさんが、アキトの言うような悪人には思えないッス」


 すっきりした表情でゲンロクは言った。

 アキトが自分のことをどう言ったのかは分からないが、どうせロクでもないことなのだろうと、グルゥは推察する。


「……俺達のアジトの居場所を教えるッス。グルゥさんも、一緒に来てくれないッスか? 一度、アキトも交えて、ちゃんとした話がしたいと思ったッス」


「それは、こちらからもお願いしたいところだ。ただ、今は先にすべきことがあって――」


 グルゥはゲンロクに、自分が置かれている状況についてかいつまんで話をした。


 助けなければいけない仲間がいること。

 止めなければいけない危険な勢力がいること。


「だから、君達のところへ行くのは、それが片付いてからにしたいんだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ