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42.決闘とおっさん―6

「ユズ……あの幼い少女のことか」


 ミルププにより、精神を破壊された少女。

 ゲンロクの怒りはもっともだと――そのことについて、グルゥは弁解するつもりもない。


「だが、やらなければこちらがやられていた。それだけの力を……あの少女は持っていた」


「そんな言葉で、俺が納得するとでも思ってるんスか……!! 俺には、みんなを守る義務がある……っ!!」


「悪いが……仲間を守る義務は、私にもあるのだ」


 もしも出会い方が違っていれば――この青年と共に戦うこともあったのだろうか?


 走り出すゲンロク。

 全身鋼鉄に覆われたその体が進む度に、地面には大きな穴が穿たれる。


 だが、お互いに決して交わらぬ矜持を掲げているとするならば。

 いくら青く不器用な芽だとしても、迎え撃たねばならない。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」


 雄叫びをあげてグルゥは走り出した。

 年長者として、ゲンロクの思いを正面から受け止めるのが務めだと、そう思ったからだ。


「やっと、その気になったッスね」


 夜の闇の中、ゲンロクの目から放たれる赤い光が横一文字を結んでいた。

 そしてその光は、グルゥの巨体の影に突き刺さる。


「な……っ!?」


 拳が突き刺さる鈍い音がする。

 先に一撃を喰らわせたのは――


「なん、で……っ!?」


 抵抗もせず、胸板に真正面からの一撃を受けたグルゥに、ゲンロクは驚きの声をあげた。

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