表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
417/984

42.決闘とおっさん―5

 ゲンロクの話は続いた。


「俺達、七人は、みんな同じ地域に住んでるガキなんス。地域の行事として、小学生から高校生まで参加できる、夏の臨海学校に参加してたッス。そこで今回の異世界転移に巻き込まれて……だから、俺達は全員顔見知りで、友達だったんスよ」


「ま、待て、七人……? 異世界勇者は、七人もこちらの世界にやって来たというのか……!?」


 グルゥの知る限り、出会った異世界勇者はアキト、マリモ、ユズの三人組と、ゲンロク、ミクの兄妹コンビ。

 つまりまだ会ってすらいない異世界勇者が、あと二人も居ることになる。


「俺らもまだ、アキト達としか合流してないんスけどね」


「そこで、良からぬことを吹き込まれたと……そういうことか」


 悪知恵の働くアキトの考えそうなことだと、グルゥは深く嘆息した。


 しかし、サグレスタワーでの一件以来見ていなかったアキトが、またこうして邪魔をしてくるとは。

 本当に面倒なヤツだと、頭が重くなるのを感じる。


「良からぬことかどうかは、グルゥさんの本心を確かめないことには分からないッス」


「……ああ、そうだな。お前からしてみれば、大事な友達を傷つけられたというわけだ。そう言われれば……私は、君から恨まれてもしょうがないだろう」


「大事な友達って言われると俺も素直には頷けないスけどね。だけど、俺は七人の中でも最年長で、みんなを守る義務があるッスから。……それよりも許せないのは、ユズのことッス」


 ユズの名が出た瞬簡に、ゲンロクが背負う闘気が一気に膨れ上がる。


「アイツはまだ小学生で……そんな子供を、あんな酷い目に遭わせるなんて……!!」


 鋼に覆われた目が赤く光る。

 グルゥに対する明確な怒りの感情が、そこにはあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ