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42.決闘とおっさん―4

「ぐッ!?」


 鋼鉄化したゲンロクの拳を受けた瞬間、それまでとは比べ物にならないくらいの衝撃を受けて、グルゥは遥か後方へと転がっていった。


「く……なんという破壊力……!?」


 右腕で弾いたつもりだったが、それでも勢いを殺しきれず、殴られた箇所は青紫に変色に鈍痛を帯びている。

 鉄骨よりも頑強と言われている『サタン』の骨だが、ヒビの一つでも入っているかもしれない。


「これで分かったッスか。いつまでも、呑気に構えてる場合じゃないッスよ」


 ゆっくりと迫るゲンロクは、両腕を鋼鉄化させ、異形の闘士の姿をしていた。

 その重さからか、足跡が地面にくっきりと付いている。


「呑気でいたつもりはなかったんだがな」


「じゃあ、なんで殴って来ないんスか。明らかに手加減してるッスよね。それじゃあ、グルゥさんが本心で何を考えているのか、分からないッスよ」


「生憎だが、私は、そんな脳味噌の中まで筋肉で出来ているような考えは出来ないんだ。ここで君と戦う必要性があるのか……それを考えていた」


「へぇ。……アキトに言われてここまで来た、って言ってもッスか?」


 その名が出た瞬間に、グルゥの血が沸騰する直前にまで一気に熱を帯びた。


「なん……だと……?」


「やっぱり、その殺気。グルゥさんが憎んでる異世界勇者は、アキトのことだったんスね」


 悲しげに目を伏せるゲンロク。

 だがその感情すらもシャットアウトするように、全身が鋼鉄で覆われていく。

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