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42.決闘とおっさん―2

 始まりは、キットを宿の風呂に入れ、風呂上がりに涼んでいる時だった。


「ん?」


 グルゥが見つけたのは、ドアの下から差し入れられた一枚の便箋。

 そこにはこんなことが書かれていた。


『お前の犯した罪について話がある。今夜十二時、町の外れの一本杉まで一人で来い。お前の仲間に手を出すようなことはしない。異世界勇者より』


 まさかこんなところまで異世界勇者が居ると思っていなかったグルゥは、驚いて便箋を取り落としそうになる。

 なんだぁ? と耳聡くそれに気付いたキットに対し、グルゥは何でもないと慌てて平常心を装うのだった。


(差出人は、アキトかマリモか、それとも――)


 固い文面に加え、若干言葉が足りないような感じ。

 わざわざキットを狙わないと書き加えている当たり、妙な義理堅さも感じるが。


「……やはり、お前だったか」


 満月に照らされた一本杉の下、その男は腕を組みグルゥを待ち構えていた。


「ウッス。ちゃんと、来てくれたんスね。……あんたには、色々と聞きたいことがあるんス」


 敵意に満ちた目でグルゥを睨みつけていたのは、ゲンロクだった。

 グルゥは周囲に視線をはしらせるが、ゲンロクの他に異世界勇者が潜んでいそうな気配はない。


「俺が、そんな姑息な真似をするとでも思ったんスか」


 その視線の動きは、ゲンロクに読まれていたようだ。

 グルゥは片手を挙げ首を振り、すまない、と疑ってしまったことを謝る素振りをする。

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