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41.ゲートとおっさん―7

 何故か二人に怒られたグルゥは困惑したが、いよいよ、三人に別れの時が訪れる。


「そろそろ……ケントラム行きの馬車が出る時間ですね」


 サリエラはミルププと共に馬車に乗り込む直前に、グルゥに対して大きく手を振った。


「お父様、御武運をっ!! 私は……一人でも、役目を果たしてみせます!」


 力強く宣言したサリエラを見て、随分強くなったと、グルゥは自身の胸が打たれるのを感じる。

 だが――キットは何か、その言葉に違和感を感じていた。


「一人でも……って……?」


「さあ、私達は北へ向かうぞ。翡翠の“血封門イルゲート”は、鍵を持つ三国のちょうど中央にある。それもちょっとやそっとじゃ人が立ち入れないところだ、大変な行程になる」


 名残惜しい気持ちもあったが、グルゥに手を引かれ、キットは二人が乗った馬車を見送っていった。

 特にサリエラとは喧嘩ばかりだったが、こうして旅の途中で別れるのは初めてだったため、急に心細くなるのを感じる。


「なぁ、親父……オレたちまた、みんなで揃って会えるんだよな?」


 不意にキットに問いかけられ、グルゥは一瞬言葉を詰まらせた。

 それはこれからの旅路に不安を抱いたわけではなく――キットにとって、サリエラやミルププがかけがえのない友達なのだと、そう気付いたからだ。


「大丈夫だ……今度はきっと、ミノンも一緒に居るよ」


 そのためには、絶対にウルヴァーサに負けるわけにはいかないと。

 新たな旅に出るグルゥの目は、決意の炎で燃えていた。




 ――その後ろ姿を、静かに付ける陰が一つ。


「やっと……見つけたッス」

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