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41.ゲートとおっさん―3

「たぶん、イルスウォードの目的は……“血封門イルゲート”を管理して『イルスフィア』を支配すること……」


「そんなこと、本当に可能なのか」


「例えば異世界転移の際に使う“ラグランジュ・ポイント”は、“血封門イルゲート”が作る力場の影響を大きく受けている……全ての“血封門イルゲート”を押さえられれば自在に異世界転移が出来るし、逆に他の者の異世界転移を妨害することも出来る……」


「だからといって、『イルスフィア』が支配されるってわけじゃ――」


「……っ! ぁまぃ……ぁまぁまのぉじ様……だょ……!!」


 そう言って、ミルププはベッドの上のグルゥの頭をコツンと叩いた。


「例えば、気に入らなぃ国の上に、無尽蔵に異世界に繋がる“ラグランジュ・ポイント”を作ったとしたら……? それは『アガスフィア』からの流入だけでなく、『アガスフィア』経由での移動、つまり実質的なワープも可能ってこと……」


「どんな兵力も送り放題ということか……それはまずいな……」


 だんだんと、『イルスフィア』に迫る危機の大きさに気が付いてきたグルゥ。

 こうしてはいられないと、包帯だらけの体を無理矢理動かして、ベッドから降りようとする。


「ダ、ダメ……! ぉじ様はまだ怪我人だから、もう少し休まなきゃ……!」


「この事態を理解しているのは、鍵の奪取とミノンの存在、その両方を知っている私達だけのはずだ。ヌエツトにはすぐに手紙を飛ばそう……そして私は、翡翠の“血封門イルゲート”にすぐに向かわなくてはならない」


「でも、ダメだって、ぉ医者さんが、相当衰弱してるって言ってた――」


 制止しようとするミルププを押しのけ、グルゥは一歩を踏み出した。


「約束したのだ」


「約束?」


「ああ。……どんなことをしても、ミノンを助けると」

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