表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
397/984

40.家族とおっさん―7

「――パパ、ねぇパパって――」


「もう起きてるぞ」


 既に着替えを済ませていたグルゥは、外から聞こえてきた足音を待ち構え、部屋に入飛び込んできたミノンを抱き上げた。


「わーっ!?」


「ビックリしたか? いつもお前に起こされっぱなしだからな、たまには反撃だ」


 繰り返される、いつもの日常。

 朝から寝室まで起こしに来てくれたのは、最愛の息子であるミノンである。


「ねぇ、今日も朝の見回りに行くんでしょ? ママは朝ごはんを作ってるし、ボクもパパと一緒に行くんだ!」


 領地の見回りと領民への挨拶は、グルゥの朝の日課だった。

 もちろんだ、とグルゥは大きく頷いた。


「このまま一緒に、外まで行こうか」


「こ、このまま? さすがに、ボクも下ろして欲しいけど」


「ダーメーだ。まだまだお前が甘えんぼさんだってところ、領民のみんなにバラしちゃんだからな」


 恥ずかしいよう、とミノンは顔を真っ赤にして縮こまった。

 グルゥはそんなミノンを抱えながら、どたどたと大股で歩き朝の散歩へと繰り出していく。


「これで……いいのか?」


 その問いは、ミノンへではなく、自分自身に向けられたものでもなく、グルゥ本人も訳が分からないままに呟いていた言葉だった。


「これで……私は、ずっとここに居て――」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ