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40.家族とおっさん―3

 次に気がついた時には、グルゥはミノンと共に風呂に入っていた。

 ムジカの要望で特にこだわって作った、家族全員で入れる大きなバスタブである。


 ムジカは気分が優れないと言って一緒に入らなかったが、ミノンは相変わらず、買ってやった水鉄砲を片手に遊んでいる。


「見て見て、パパ! あの石鹸に当てるから!」


「うまく狙いを定めてみろ。腕が良ければ、将来はガンマンになれるかもしれないぞ」


 そうは言ったものの、出来ることならこの子が武器を持つような社会にはならないで欲しいと、グルゥは願っていた。

 そもそも他の『サタン』の血族とは違い、争うことが嫌いで、喧嘩もしたことがないようなグルゥである。


 やんちゃなミノンを見ていると、そのうちにあっという間に成長して親子喧嘩で自分の方が負けるんじゃないかと、そんな心配も既にあった。


「うっ……? 『サタン』…………?」


 また、だ。

 またもや、“何か”が引っかかって、グルゥは激しい違和感を覚えた。


(『サタン』の特徴はなんだった? 何か、決定的な矛盾が存在する気がする)


 しかしいくら考えても、グルゥの思考の一部は靄がかかったようにシャットアウトされていて、その“何か”に辿り着くことが出来ない。

 真剣な表情をしているグルゥを見て、ミノンは何かを感じたのか――


「わーっ!」


 突然、水鉄砲を顔面に発射され、グルゥはバスタブの中に沈みかけた。


「こら! イタズラをするんじゃあない!」


「だってパパ、ボクのこと全然見てないんだもーん」


 そう言って、ミノンはバスタブを泳いでグルゥの膝の上にちょこんと座る。

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