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39.続・剣とおっさん―8

「ミノ――」


 グルゥの声は、まるで吹雪のような轟音に掻き消される。


「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 ミノンが叫んだ瞬間に、その体からは緑色の光が溢れ、その光はグルゥの体に付着すると、幾層にも重なって体を埋めていった。


「な、なんだよこれっ!?」


「ま、まさか私達までフォルの結晶の中に……!?」


 同じ現象はキットやサリエラにも起こっているようだが、体に付着したフォルにより全身の力が吸い取られ、グルゥはその場に膝をつく。


 抗えなかった。

 どんどんフォルの厚みは増していき、サリエラの言うとおり、自分自身の体がフォルの中に閉じ込められようとしているのが分かる。


「ミ、ノン…………」


 発狂したように叫び続けるミノンを止める術はなく、グルゥの意識は徐々に薄れていく。


「これで一丁あがりってわけだが……このままじゃ俺まで巻き添えを食っちまうな」


 ウルヴァーサは翼をはためかせると、フォルの光から逃げるように、窓の外へと避難していった。


 せっかく、ミノンが目の前にいるのに――手を伸ばせば救い出せる距離なのに――指先一つ動かせない自分自身の不甲斐なさに、グルゥは絶望する。


「…………パパ…………」


 意識が完全にブラックアウトする瞬間、グルゥはどこからかその声が響いてくるのを感じた。

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