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37.竜騎士とおっさん―8

「なん……だと……!?」


「正直に言うとだな。“あるお方”があんたの力を欲しがっている。サグレスの街を破壊し尽くした、あの力をだ」


 ウルヴァーサの言葉に、グルゥは大きく舌打ちをした。


「“黒き炎”の力など、私は二度と使う気はない。それがミノンを返す条件なのか」


「そう急かすなって。何もあんたに、どっかの国をぶっ壊せとか、そういうことを命令したいわけじゃないんだ。あんたの力は、“抑止力”になる。この世界に生まれようとしている争いの火種の、な」


 冗談でも言っているのかと思ったが、ウルヴァーサの目は真剣そのものだ。


「あんたにも協力して欲しいんだ。『イルスフィア』の意思を統一し……来るべき『アガスフィア』からの災厄を打ち払う、そのための作戦にな」


「『アガスフィア』からの災厄……? どういう意味だ」


 グルゥの疑問に対し、ウルヴァーサは待ってましたと言わんばかりに答えた。


「あんただって、既に戦ったことがあるだろう。“異世界勇者”。ヤツらは『アガスフィア』の災厄を持ち込む、前段階に過ぎないんだ。もしもヤツらの目的が達成された暁には、『イルスフィア』はいとも容易く崩壊させられてしまう」


「……意味が分からん! 何を根拠に言っている、それとミノンを攫ったことに何の関係があるんだ!!」


「それ以上は……流石に、協力を約束をしてくれねぇと答えられねぇな」


 グルゥとウルヴァーサの間に、再び一触即発の空気が流れた。

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