35.ゲームとおっさん―6
いっそ死んだ方がマシだと、グルゥは思った。
ぎゅっと、残された右目をつぶり何も見ないようにしたが――
「……んんんんんん……ッ!!」
太っちょの人形に力任せに瞼を引き千切られ、グルゥには見ない自由すらも与えられなかった。
絶望の中、抵抗する気力を失ったグルゥは、涙を流しながらその時が来るのを待つ。
ノッポの人形が、ついに両手に持ったメスをグルゥの腹に押し当てると――激しい出血と共に、グルゥの解体が始まった。
「んんんんんんんんんんんんんんっ!! んんんんんんんんんんんんんんんーっ!!!」
「はい、ここでライフゼロ。もうゲームオーバーは決定だね……やっぱり、大して強くもない魔王だったよ」
気が狂いそうになる痛みを感じながら、グルゥは自分の体内がぐちゃぐちゃにされていくのを感じた。
三体と一匹の人形は、その様子を楽しげに笑いながら見ている。
ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ。
ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ。
ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ。
ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ。
ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ。
こうして、パペッタ達の“悲願”は達成されたのだ。
『GAME OVER』




