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32.異世界勇者・陸とおっさん―7

「なんだって……!?」


 坊主頭の少年はすぐさま現場に駆けつけたが、民家を包む炎の勢いは激しく、周囲の大人たちがいくら水をかけても、焼け石に水の状態だった。

 その後についていったグルゥも、その炎の勢いを見て渋面を作る。


「まずいな、相当燃えている。この炎の強さでは、いくら熱さに強い『サタン』の血統といえども、ひとたまりもないだろう」


「私の氷の魔法でも、さすがにこの勢いは……!!」


 グルゥ達が手をこまねいていると、坊主頭の少年は躊躇することなく、バケツの水を被って中に踏み込んでいった。


 青い火花が散って、その体が一瞬で灰色に変わる。

 しかしその姿は、すぐに炎に包まれて見えなくなってしまった。


「だ、大丈夫かよアイツ!? オレたちに出来ることはないかな、親父!」


「う、うむ。まずは消火活動を手伝おう。お前達も、バケツリレーに参加して少しでも水を運ぶんだ」


 グルゥの指示を受けて、三人の娘達は各々動き出し、村人と共に消火を進めていった。

 グルゥは天にまで上る炎の勢いを見て、ゴクリと唾を飲み込む。


「こんな時、自在に『憤怒』の力が使えれば……!!」


 魔人の姿では耐えられない炎でも、魔獣化すれば容易に突破できることは想像がついた。

 だが、今は力の発現の鍵となる『憤怒』の感情が存在していない。


 己を無力を感じつつも、グルゥもバケツリレーに参加するのだった。

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