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31.血統とおっさん―7

 ――翌日。

 グルゥはデルガドスに呼ばれ、玉座の間にて跪いていた。


「一応、書簡は書いたがな。何せお相手はあの『ベリアル』の血統だ。どうせ、こちらの話なんて聞く耳持たぬぞ」


「いえ、お父上の心遣いには感謝いたします。これで……スムーズにミノンを探すことが出来ます」


 グルゥがデルガドスにお願いしていたのは、『ベリアル』が統治する国“ドラグロア”に入るための紹介状であった。


 広大な大地を有する『イルスフィア』の中の七大国は、その国境については出入国の管理をしていない。

 範囲の広さとかかる手間を考えると、物理的に不可能なのが現状である。


 そのため逆に、首都機能がある都市については、各国厳重な警備体制を敷き、他の血統の魔人の出入りに関しては入念な管理をしていた。、

 グルゥは“ドラグロア”に向かうため、デルガドスの力を借りることにしたのだ。


「ありがとうございま――」


 差し出された封書を受け取ろうとしたが、デルガドスはひょいっと封書を高く掲げて、グルゥが持っていくのを拒否した。


 黙り込むグルゥ。

 すっと背伸びをして封書を取ろうとすると、デルガドスは立ち上がって、グルゥの手の届かないところまで封書を持ち上げる。


「……何ですか、ここにきて。妙なおふざけはやめて頂きたいのですが」


 この年になってこんな子供じみた意地悪をされるとは、とグルゥは少々閉口していたが、デルガドスの方が五十センチ以上は身長が高いので、これをされて敵うものはヌエツトにはいなかった。


「まあ、そうカッカするでない。王の手を煩わせたのだ……こちらからも一つ、封書を渡すための条件を出そうではないか」


 不敵に笑うデルガドスに、猛烈に嫌な予感がしたグルゥは顔を引き攣らせた。

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