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31.血統とおっさん―3

「ちょ、ちょっと待ってくれよ。デルガドスのおっさんの息子ってことは、そいつも『サタン』の血統なんだろ? なんで『ベルゼブブ』のミルププが生まれたんだよ」


「それはだから……奥さんの方が『ベルゼブブ』だったのだろう。ヌエツトでは、王家はは他の血統と血の繋がりを得ることを禁じている。だから王子は、デルガドス王の逆鱗に触れヌエツトを追放されたんだ」


 キットとグルゥの会話を、サリエラはきょとんとした顔で聞いている。

 まったく話に付いていけないようだが、あえて説明する気もないので、グルゥはそこには触れないでおく。


「へー、別の血統同士だと、どっちの魔人になるのか分からないのか」


「血液型とぉなじ……血統には、優勢、劣勢がある……でもそれは複雑で、単純に血統同士の相性じゃなぃ……みすてりぃ……」


 話しながら、ミルププは次第に暗い顔になり、すっかりしょげ返ってしまった。


「ミルププは、ヌエツトの中じゃぃらなぃ子…………外に出ても、ぃゃな目で見られるだけ……だから、ずっとここに閉じこもってた…………」


「そ、そんなことないだろう。デルガドス王だって、お前のことを気にかけている様子だったぞ」


 グルゥはそうフォローしたが、実際、デルガドス自身はミルププのことをとても可愛く思っているようだった。

 だが、


「……っ! ぉじぃちゃんは、ぉとぅさんを追い出した……だから、嫌い…………」


 あいにく、その矢印は一方通行のようである。

 二人の関係はグルゥにはどうしようもなく、気まずい表情で、グルゥは頬を膨らませたミルププを見るのだった。

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