表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
292/984

30.引きこもりとおっさん―3

 それは本の下に隠された、仕掛けを作動するためのスイッチだった。


「危ないっ、サリエラ!!」


 とっさにサリエラを突き飛ばすグルゥ。

 すると横にあった本棚の一部が盛り上がり、突き出してきた角材にグルゥは思い切り吹っ飛ばされた。


「うおおおお!?」


 グルゥはその勢いのまま、壁を背にした本棚にぶち当たる。

 本棚の上に置いてあったビンが倒れ、グルゥは頭の上から真っ白な粉を被ることになった。


「ごほっ、ごほっ!? なんだこの粉は、甘ったるい、目が見えない……!!」


 その直後である。

 まるでその粉に反応するかのように、本棚の本の隙間から、黒くてうねうねとしたものが飛び出してきた。


 そしてそれはあっという間にグルゥを絡めとり、グルゥは本棚に磔にされてしまう。


「ぐおおおおお!? な、何なのだこれは!?」


「た、大変です!! お父様に……触手が……!!」


 そう、グルゥに絡みついたものはどう見ても触手であり、白い粉を舐め取ろうと、グルゥの体を一生懸命にまさぐっている。

 グルゥは触手を引き剥がそうとしたが、いくら力を込めて振り払っても触手がびよーんと伸びるだけで、すぐに元通りに磔にされてしまった。


「お、おい! 誰かミルププを呼んで……わ、わはは、呼んでくれ、でないと、こ、これは、わはははは!! くすぐったいぞ!!」


 触手はグルゥの服の中まで滑り込み、ねばねばの粘液を噴出しながら、グルゥの体をこちょばしていく。

 グルゥは既に体に力を入れることが出来ず、ひたすらに大爆笑してされるがままになっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ