表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
289/984

EX4.おっぱいとおっさん―3

「ですが、その……ムジカ様はお亡くなりになりました」


「そんなこと、わざわざ言われなくても分かっているさ」


「グルゥ様は以前、私には妻がいるから駄目だ、と仰っていたじゃないですか! それなら、今はどうかと思って……」


 涙目になって、ニフラはしゅんと肩を落とす。


(だからといって、キットとサリエラのママになって既成事実を作るのはどうなんだ)


 その発想の飛躍っぷりに、グルゥはげんなりとしていた。


「まだ……私には振り向いてくれないのしょうか」


「今はまだ……そんな気分にはなれないし、恐らくはこれからも、私の生涯の伴侶はムジカただ一人だけだ。好意を寄せてくれるのは、嬉しいのだが」


「二番目でも、いいんですっ!」


 そう言って、ニフラはグルゥの手を取る。

 熱っぽい目で見つめられ、グルゥは戸惑いを見せたが、ぽよんぽよん、と。


「なんか、当たってるぞ」


「当ててるんですよ、グルゥさんのために。もっとガッツリいっちゃいます?」


 てへぺろ、と舌を出すニフラ。

 グルゥの拳骨が、ニフラの脳天にお見舞いされた。


「お、恐るべしおっぱい……あれが大人の業なのですね」


 素直に感嘆するサリエラに対し、キットは自分の胸を見やって絶望的な顔をしている。

 馬鹿者、という怒鳴り声が深夜の城内に響いていた。


「私は寝るからな! 二度とはしたない真似をするな!」


「う、うぅぅ、グルゥ様……」


 グルゥに置いてけぼりにされ、ニフラはその場にへたり込んでハンカチで目元を拭う。


「そういうところが……お素敵です……!」


「単純にやべーヤツだな、アイツ」


 まったく懲りていない様子のニフラを見て、キットもまた別の意味で感嘆するのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ