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29.主君とおっさん―7

 デルガドスがその話を終えた時――キットはボロボロと泣いていた。


「うわっ!? な、なんか気に触ることでも言ったか!?」


「ううん……親父、やっぱり大変な人生を送ってきたんだなーって」


 号泣するキットにデルガドスは面食らっている。


「そういうお前さんは、いったい何なのだ? 見たところ『マモン』の血統のようだが……それにしてはもふ……毛がふさふさしておるの」


「ん? この耳と尻尾のことか? なんか急に生えてきた」


 身も蓋もない言い方に、デルガドスは閉口する。


「まさかお前さんにも、“血統の覚醒”が生じたのか?」


「さあ? オレには『アガスフィア』で生きてきた記憶しかねーし、なんで耳と尻尾が生えてきたのかも分かんねーんだ。それこそ王様は何か知らねーのかよ?」


「そういうことなら……ミルププに聞くと良い。あれでもアイツは、この国で一番の知識人だからな」


「ミルププ! そういえば、一度会ってみたかったんだ! この城の中にいるのか!」


 喜ぶキットに、デルガドスは若干複雑な表情をしながらも頷いた。


「ミルププは儂の孫娘だ。……今日はもう遅いし、話をしておくから明日以降会うといい。……いきなり訪問者となると儂が何を言われるか分からんからな」


「え? なんか最後ごしょごしょっと言った?」


「ゴホン。……こっちの話だ。それと、ミルププと会うときは必ずグルゥを連れて行くようにな。でないと、アイツが何をしでかすか……」


 ミルププの話になるとデルガドスの表情が重苦しいものになるのだが、キットはその理由が分からずに首を傾げていた。

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