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29.主君とおっさん―2

「でも、そんな仲であれば、何故わざわざ最初に険悪になるようなことを言っていたのですか?」


「ああ、他人を煽って逆上させた挙句、ボコボコに返り討ちにしてマウントを取るのが王のやり口ですから。そうやって、血気盛んな若者をいつも服従させているのですよ」


「それは酷い王ですね!?」


 思わず口に出してしまったサリエラだが、その途端、デルガドスの鋭い視線が突き刺さってきた。


「なんだお嬢ちゃん。儂のやり方に文句でもあるのか」


「い、いえいえいえ別にそんなことないです。素晴らしい王ですねと話していただけですよ」


 慌てて取り繕うサリエラだが、すっかり出来上がっているデルガドスは、酒瓶を片手にサリエラの隣までやって来た。

 まるで酒瓶が飴細工に見えるようなサイズ感に、近くで睨まれたサリエラはだらだらと冷や汗をかく。


「こら、目を合わせんかい。嘘をついてないか見極めてやろう」


「あ、あらー。さすが王は人を見る目があるのですね、素敵です」


 とってつけたようなお世辞に、さらに機嫌を悪くするデルガドス。

 だが、ふと何かを感じ取ったようで、大きな手でサリエラの顔を捕まえた。


 強引に正面を向かせられ、サリエラはホギャ……と言いかけたのを必死に我慢する。


(な、何なんですかこの人はー!)


「何か妙な気配を感じると思っとったが……お主、まさか――」


 その時、グルゥの手がデルガドスの腕を掴んだ。


「それは少し……羽目を外しすぎではないですか。王よ」


 メラメラとグルゥの瞳の奥に『憤怒』の炎が燃えているのを見たデルガドスは、やれやれ、と肩をすくめてサリエラから手を離した。

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