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29.主君とおっさん―1

 そしてその晩。

 ヌエツト城内にて会食に招かれたグルゥだったが、その表情は重苦しいものだった。


「がっはっはっは!! まださっきのことを気にしてるのか!?」


「人の心の傷を抉るような発言はやめてください……。子供達の前で、あんな、あんな無様な姿を……」


 両手を押さえ、白いテーブルクロスの上に突っ伏すグルゥ。

 デルガドスはそれを面白がって、その肩をバンバンと力任せに叩いている。


「お、親父をいじめるなー!」


「がっはっはっは!! お前、なかなか良い娘を連れて来たではないか。お前のために、儂に食ってかかってきているぞ?」


「ま、まあいいんだキット。この人は、これがいつものことだから……」


 デルガドスの勢いにすっかり押され気味のグルゥが気に入らないらしく、キットはぷーっと頬を膨らませていた。

 サリエラは、長いテーブルの少し離れた位置から、二人のやりとりを見ていた。


「随分と王に気に入られているのですね、お父様は」


「あら、分かりますの?」


 給仕役を務めていたニフラは、おっとりとした口調でサリエラに答える。


「いや、だって……普通、こんな長いテーブルで会食をして隣同士に座らないでしょう!? 通常であれば、王は上席に座るべきですよ」


「へぇ、あなたはマナーにも詳しいのですね。まあ、グルゥ様はデルガドス王の下で、二十五年間も経理の仕事を続けてきたのです。きっと王から見ても、可愛い部下だったのでしょうね」


 そう言うニフラの目が熱心にグルゥを追っているのが、サリエラには妙に気になっていた。

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