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27.世界の終わりとおっさん―2

 逃げ回るアキトを追って、四本足で踏ん張るグルゥは熱線を照射し続ける。


 夜の闇が真っ赤な線によって切り取られて、巻き添えを食らった付近のビルが真っ二つに切断された。

 切断面が赤く融解したかと思うと、そこがまるで噴火したマグマのように弾け飛び、火球となって地面に降り注ぐ。


 崩れ落ちたビルの破片やガラスが降り注いで、地上を逃げ惑う人々に容赦なく降り注いでいった。

 地上はあっという間に血と炎で真っ赤に染まるが、その炎の中心は真っ黒く変色しており、ただの炎でないことが見て取れる。


 サグレスタワーの真下にいた人々も、その異変を察知して、一人、また一人と逃げ出していた。


『な、なんということでしょう!? 獣の姿に変わった魔人が、無差別に街を破壊しておりますっ!! 市民のみなさんは避難してくださいっ!! この姿は……まるで、魔王――』


 熱線はバルーン船を掠り、黒い炎が船体を焼き焦がしていく。


『きゃああああああああああああああああああああああああああっ!!』

『危ない、落ち――』


 そこでカメラからの映像も途絶え、モニターには砂嵐のようなノイズだけが映し出された。


 多くの観衆がそこで気付く。

 これは紛れもない現実で――その脅威は、今まさに自分達の目の前に迫っているのだと。


「うわあああああああああああああああああああああああああ!!」

「逃げろ、やばい、みんな殺されるぞッ!!」


 地上は一瞬でパニックとなり、逃げ遅れた人間は押し倒され、人の群れに踏みつけられていく。

 しかしそんな彼らを嘲笑うかのように、アキトを追う熱線が三六〇度、円を描くように一周して、逃げ場を失った彼らは炎の渦の中に取り残されることになった。

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