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26.続々・復讐とおっさん―9

「な……お、親父っ!? い、今、口の当たりがチクチクしてたんだけど、まさか――」


「良かった……生きていてくれて、本当に良かった……!!」


 目が覚めたばかりのキットは何がなんだか分からない状態だったが、すぐに自身の体の痛みに気が付いて顔をしかめた。


「うあ……! ご、ごめん親父。オレ、なんか凄い怪我をしてるみたい……」


「す、すまん!! 痛かったか? まだ、安静にしてなきゃいけないよな。すぐに横にして――」


 キットの体を下ろそうとしたグルゥだったが、キットはそれを押し止めるように、グルゥの体にしがみ付いた。


「いや……いい、よ。今はもう少しだけ、こうして、いたい」


「…………キット?」


「あーあ……オレの初めて、親父になっちゃったな。こういうのどうなんだろ……親父、いつの間にか素っ裸だし」


 指摘されて、グルゥは魔獣化から戻った自身が布一枚身に付けていない事実に気が付き、顔を真っ赤にした。


「あはは……照れるなよ。親父が、オレを助けてくれたんだろ? それくらい、流石に分かるって」


「す、すまん……。だ、だがこんな状態をいつまでもモニターに映されていたら色々誤解が生じるよな」


「ひえぇぇっ!? オレたち今、あのでっかいモニターで晒されてるのか!? なんだよ、それ……参ったな……」


 キットはそう言って、グルゥの裸にトンと顔を置いた。

 それはまるで、グルゥから感じる心臓の鼓動を聞こうとするように。


「そんな既成事実作られたら……親父のお嫁さんにならなくちゃいけないじゃん」


「キ、キット!?」


「なーんて、冗談だって。親父は誰よりも真面目で、強くて、優しくて……そういうヤツだってことは、オレが一番分かってるから……」


 グルゥの体を光刃が貫いた。

 貫通したその一撃は、当然腕の中のキットにも突き刺さっている。

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