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25.続・復讐とおっさん―6

「自らの種族を偽り、それを理由に人間を差別していたとするのなら、それは到底許されることではありません!」


「な、何だと? 別に私は、種族差別なんて――」


「富裕層が住む北区に加え、このサグレスタワーはどうですか? 公にはされていないものの、多くのゴブリンが住んでいるはずです。またゴブリンに対してはほぼ無税となる減税措置を行い、人間からは多くの税金を徴収する。そのような種族差別が行われていると、ある情報筋から聞きました」


 もっともそれは、ほとんどがケンロウの受け売りだったが。

 その事実を突きつけられたアルゴ公は、ぐふふと嫌らしい笑みを浮かべ、あっさりと頷いて認めた。


「そうだとも……それが何か悪いか? このアルゴ公国は、代々ゴブリンが統治してきた、由緒ある土地なのだ。だが他所から入り込んできた人間は、ゴブリンが治めるような土地では暮らせない、公爵を代えろと訳の分からぬことをのたまう。そしていつしか、我々は公の場の出る際に代理の人間を立てることにしたのだ。その方が効率が良いからな」


「だからといって、人間に対する不当な差別が許されるとでも?」


「不当? ……馬鹿なことを言うんじゃないよ、君!! ヤツらこそ、この世界で最も下等な生き物なのだ。サグレスでは、金で地位も名誉も女も買えるようにした。その結果どうだ、人間は躍起になって金稼ぎに邁進し、自らの欲望を叶えるためだけの猿のような生き物になったわ。我々ゴブリンはこのタワーから、浅ましい人間の姿を高みの見物で眺めているのだよ」


 アルゴ公はそう言うと、歪な形の人差し指を立て、チッチと左右に振ってみせた。

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