表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
232/984

24.復讐とおっさん―8

「うああああああああああああああああああああっ!! でも、俺、俺……もう、取り返しのつかないことを」


「それはこれからの課題だ。どこかで歯止めをかけねば……君はその取り返しのつかないことを、延々と重ねることになる」


 抱き締めたアキトの体は、想像以上に華奢なものだった。

 その細い腕で、今までどれだけの命を奪ってきたのか。


 だが、その憎しみの連鎖は、ここで食い止めなくてはならない。


「おっさん……俺に家族まで殺されてるんだぞ!? ずるいだろ、それ。そんなヤツがそんなことを言うなんて……反則だろ」


「……分かってるさ。だからこそ、これだけは理解して欲しい。相手を許すというのは、それだけ大変なことなんだ。私と君がここで殺し合って決着を付ける方が、何十倍も簡単だ。だから私は……君が立ち直ることに、全力で向かい合っていく。君が感じたことや、不安に思っていること。それらを全て、私に教えて欲しい」


 アキトは咽び泣いた。

 それまでの大人ぶった態度ではなく、年相応の少年の姿で。


「すげぇ……すげぇよおっさんは。俺だったら絶対、そんな考え方は出来ない。もう一度、名前を教えてくれよ」


「グルゥ、だ。グルゥ・ヌエツト・マヌエルパ。君の名前も、改めて教えてくれないか」


「ありがとう……グルゥさん。俺はアキト。アキト・ヌエツト・マヌエルパだ」


 は? とグルゥは思った。

 何故アキトが、自分と同じ姓を名乗るのかと。


「ほら、俺って嘘つきだからさ」


 泣き笑いの表情で顔をあげるアキト。

 その手は、グルゥの腹部にあてがわれていた。


「チートスペル、“光の剣(エクスカリバー)”」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ