表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
229/984

24.復讐とおっさん―5

「……なにィ?」


 心底意外そうな顔をして、アキトは自分が聞き間違えでもしていないか、確かめているようだった。


「戦う必要はないって、そう言ったのかよ? なんでだよッ!? このガキを助けたくないのか? コイツは今から処刑されちまうんだぞッ!? なんだったら、お前にヤる気を出させるために今すぐ処刑してもいいッ!!」


「お前の師から、全てを聞いたんだっ! ……異世界勇者に課せられたその宿命、そして、何故お前たちが戦うのかを」


 グルゥが回復するまでの間――同じように瀕死になっていたケンロウを、サリエラは仕方なく手当てしていたのである。

 もちろん、それは単なる人助けなどではなく、代わりに情報を渡すよう、要求するためであった。


「……はーん。マジで使えねーな、あの先生。今度会ったらフルボッコだわ」


「お前達、異世界勇者は、ゲームマスターによってこちらの世界に呼び出され、ポイントを稼がねばならないそうだな。ポイントとはつまり、魔人の子供のことだ。そして最も高いポイントを獲得した者のみに、願いが叶えられる権利が与えられ、元の世界に帰ることが出来る」


「……まあ、おおよそ合ってるけど、それを知ってどうするつもりだ? 言っておくが、俺は先生みたいに敗北者となって、こっちの世界でチンタラ負け犬として暮らすつもりはねー。だから勇者として、邪魔者は全て排除するんだ」


 アキトの顔に憎しみにが浮かぶ。

 グルゥに目的を悟られたことが、不愉快極まりないと、そういう表情だ。


「そしてもう一つ……肝心なことがある」


 グルゥの話には、まだ続きがあった。


「異世界から来た人間は――定期的にフォルを摂取しないと、その心身を維持することが出来ず朽ち果ててしまう。稼いだポイントの見返りとして、お前らはゲームマスターよりフォルの結晶を受け取っているんだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ