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23.タイムリミットとおっさん―12

「な……ッ!? なんと卑怯な真似をッ!!」


「いやだってさ、しょうがないだろ。普通そうするだろ。おっさんを殺すためにはお前も殺さなきゃいけないけど、コイツを捕まえてポイントに代えるなら、何の労力も要らないもん。そっちだって、おっさんを放置してたら死なせちまうぜ? 先生の毒は相当強力だからな」


 キットを連れ去ろうとするアキトを見て、グルゥは心臓が激しく鼓動するのを感じた。

 だがその『憤怒』の力は、今はグルゥの寿命を縮めることに他ならない。


「う……ぐ……くそォッ……!!」


「お父様っ!? ……今、手当てをします。安静になさってください――」


「駄目だッ!! キットを、キットを取り返さないと」


 うわ言のようにキットの名前を連呼するグルゥ。

 それを見て、アキトは空いた左手でパチンと指を鳴らす。


「うわ、やべー、ピッカン来たわ俺。マジで天才かも、やっぱ俺って才能あるわー」


「……はぁ? あなた、いったい何を――」


「今夜の十二時ちょうどだ。その時間に、サグレスタワーの屋上でコイツを公開処刑する。助けたいのなら、警備の人間でいっぱいのタワーを、一階ずつ上ってくるしかないよなァ!?」


 アキトの言葉を聞いて、グルゥは愕然とした。

 この男は、キットをダシに使って自分をおびき出すつもりなのだ、と。


「ふざけるな、そんなこと、私が許さないっ!!」


 吠えるグルゥは、もはや自分でもどう体を動かしているのか分からないが、ついに地面に足をつけて立ち上がった。

 だが、一歩踏み出した瞬間にその体はガクリと崩れていく。

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