表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
212/984

23.タイムリミットとおっさん―1

 グルゥたちと同じく、深くフードを被ってサグレスの街を進む、怪しげな人影が二つ。


「わー、空飛ぶ船だー! すごいねーサリエラー」


「ちょっ、そんな悠長に観光している暇はないですよっ! 早く、お父様との合流地点まで行かないと」


 格好の割には緊張感の無い、サリエラとミノンのコンビだった。

 ミノンは空に浮かんでいるバルーン船に気を取られ、ふらふらと人混みの中に向かってしまう。


「だーめーでーすーよー!!」


 そんなミノンの首根っこを掴み、強引に道の端に戻すサリエラ。

 まるで子猫を運ぶような二人のやり取りを、通りがかりの人たちは微笑ましそうに見ていた。


「なんでお空に船が浮かんでいるのかなぁ?」


「さ、さぁ……。ただ一つ確かなのは、今気にするようなことではないということです。さあ、行きますよ」


 そう言ってサリエラは先に進もうとしたが、


「あれは、空撮用の船なんですよ」


 店先に立っていた親切な店員が、ミノンの疑問に答えていた。

 それを聞いて、ミノンの目が好奇心でいっぱいになった。


「くうさつ? ってなに!」


「空からサグレスの街並みを撮影する、撮影用の船です」


「すごい! どこまで行けるの?」


「今はまだ、サグレスの上空を漂うくらいしか出来ないそうです。ゆくゆくは他の国にひとっ飛び出来るような船を作りたいと、アルゴ公は仰られていました」


 好き勝手に店員との会話を始めたミノンに、サリエラは深く頭を抱えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ