表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
194/984

21.お父様とおっさん―5

「……で、コイツは何なんだ」


 音の正体を確かめに外に出たグルゥは、憮然とした表情で指を差す。


 黒装束を身に纏った男が、宿の外で引っくり返ってピクピクと痙攣をしていた。

 恐らくは二階から転落したのだろう、足首が変な方向に折れ曲がっていて、相当痛そうだった。


「ふ、不適切だぞ!! その年の差で、何をしようとしていたんだお前ら!!」


 男は根性で上半身を起こすと、グルゥとサリエラを交互に指差し、二人の行いを批難した。

 そう言われるとぐぅの音も出ないと、グルゥはしゅんとしょげ返ってしまう。


 だが、


「何をしようとしていた、というのは……こちらのセリフでもあるのだが?」


 グルゥは男の懐に乱暴に手を突っ込む。

 案の定、そこからは一本のダガーが出て来た。


「こんな物騒なモノを持って、私の部屋への侵入を窺っていたとは……ちゃあんと、理由を説明してくれるよな?」


 あの時感じた殺気はサリエラではなくこの若者だったのかと、今になってグルゥは気が付いた。


「ヒ、ヒィッ!! や、やはり魔人め……残忍かつ色欲に満ちているとは、本当だったんだな!!」


 お前に言われたくないわ!! とつい右ストレートを繰り出してしまうグルゥ。

 その一撃で、襲撃者らしき男は完全にノックアウトされてしまった。


「ちょっとお父様!? ここはしっかり、情報を聞き出さなきゃいけないところですよ!?」


「す、すまん。あまりにも人聞きの悪いことを言われたもので、つい」


 カッとなってしまったことをグルゥは反省する。

 するとそこに、騒ぎを聞きつけたキットとミノンも、眠い目を擦りながらやってきた。


「何の騒ぎだよ、親父……。……って、あれ? なんで盗賊のヤツが、こんなとこにいんの?」


 男の正体は、意外なところから判明した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ