20.パパとおっさん―5
「私にもっ! 私にもチ○コを見せなさいッ!!」
「はあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
グルゥのベルトに手をかけるサリエラ。
それはまずいと、慌ててベルトを押さえてグルゥは抵抗する。
「お、落ち着け! そんなもの見たって何も良いことはないぞ!?」
「いいのですッ!! キットが見て、私が見ていないという状況が許せないのですッ!! さあ、どんな色、形、大きさなのですかッ!? いい加減観念しなさい、お父様ッ!!」
ふしゅーふしゅーと鼻息を荒くし、目をぐるぐる回しながら迫り来るサリエラは、完全にスイッチが入ってしまったモードだった。
「キットお前も、責任を持って止めろ!!」
「え、いいじゃんオレもチ○コ見る」
「チ○コチ○コチ○コーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
「ねぇパパ、チ○コってなにー?」
地獄絵図だった。
三人の子供たち、全員が同時にチ○コに興味を持ってしまった。
このままでは三人に自分の大事なものを奪われてしまうと、グルゥは悲壮な決意をする。
「いいかミノン、それは黒くて固くて……甘いものだ」
「黒くて固くて……甘いんですのッ!?」
その言葉に完全に頭の中が沸騰して、サリエラは失神寸前になる。
「ああ、そして誰もが大好きなもの…………それが…………チョコ、レートだーーーーー!!」
ズボンを脱がせようとするサリエラとキットを、まとめて空に放り投げるグルゥ。
二人はボチャンと川の中に墜落し、ようやく、頭を冷やして我に返るのだった。




